冷静と物欲の間で

ガジェット好きな私の静かな生活

求めよさらば与えられん

オーディオインターフェイスなんて物を買って来て、ロスレスオーディオの密度感とかハイレゾロスレスの生々しさに触れてしまったら最後、もうあとには戻れない。

AAC音源に慣れ切った耳で聴くロスレスはやはり新鮮だ。圧縮によって音楽がこれほど軽薄なものになるのかと今更ながら思い知らされる。「AACはMP3より圧縮効率が高いからナンチャラ...」なんて話は今や無意味、過去のものとなった。そもそも音楽を圧縮するなど冒涜以外の何者でもない!とまでは言わないが、少なくとも「ミュージック」アプリのライブラリーにある、既存のAAC形式の音楽を片っ端からロスレスに入れ替えてやらないと気が済まなくなる。CDから取り込んだ楽曲はまたCDから取り込み直し、ダウンロード購入した楽曲は再ダウンロード。ちょっと面倒だけど、まあ気長にやって行こう。

ところで、作業を始めて面白い事に気が付いた。入れ替え後の曲をたまたまAirPods Proで聴いていたところ、入れ替え前より音が良くなっている気がする。Macと接続していて気付いたのだが、iPhoneと接続して聴いても同じく良い音になっているようだ。これはどういう事か?

最初はAACからロスレスにアップグレードしたんだから当たり前かと単純に受け止めていたが、よく考えるとAirPodsのようなBluetooth接続のワイヤレスオーディオは、たとえロスレス音源であってもApple AAC Bluetooth Codecにより伝送の時点で結局はAAC形式に圧縮変換される。という事は、音が良くなったと感じるのは気のせいなのか?

実はそうでもないらしい。これは、伝送時にAAC変換される前の楽曲データのクオリティーが関係していて、既に情報が間引きされているAAC形式のデータを再びAAC変換したものより、完全な形のデータを初めてAAC変換したものの方がクオリティーは高いという事。だから、やっぱりライブラリー内の音楽はロスレスに上げておいた方がいいわけだ。

そんなこんなで、ウチのMacのオーディオ環境はハイレゾ対応を果たし、音楽データの入れ替えでワイヤレスオーディオの音質もそれなりにアップする。よしよし。

そうなると、やっぱり音の出口に当たるヘッドフォンをなんとかしたい。導入したオーディオインターフェイスMOTU M2に挿しているヘッドフォンは、16年ほど前に購入したSONYMDR-CD900ST。プロ向けのスタジオモニターという事で、解像度の高いカッチリとした音で音域のバランスも良いのだが、高域が耳に刺さるし響きもどこか不自然なのが気になっていた。その割に低音域はいまいち量感不足で、全体にギスギスした音のせいか聴き疲れしやすい。ほぼ同時期に購入した同じくSONYMDR-7506は、低音域の量感はそこそこあるものの高域寄りの音域バランスで、全体にドンシャリな感じがするためこれも長く使う気になれず、押し入れの肥やしになっていた。久しぶりに引っ張り出して使い始めたのだが、聴いているうちにシャリシャリ感が耳に付いてやっぱりムリ。イヤーカップが折りたたみ式で伸縮式のカールコードに標準ステレオプラグアダプター付きの3.5mmステレオミニプラグは何かと便利なのだが。ちなみにこの2機種とも音楽業界では定番中の定番だそうで、日本国内ではCD900STが、海外では7506が多く使われているらしい。また、PCMレコーダーの録音モニター用として以前購入したAKG(アーカーゲー)のK371は、脱着式のコードが3種類付属しこれも標準プラグアダプター付きの3.5mmミニプラグ。音は低域から高域までそこそこバランス良く出ているようなのだが、平板というかのっぺりした音で立体感が感じられず、聴いていて楽しくないのでこれもパス。結局、手持ちのヘッドフォンは全滅か。新しいヘッドフォンを買うしかないのか。

SONY MDR-CD900ST

SONY MDR-CD900ST


SONY MDR-7506

SONY MDR-7506

 

AKG K371

AKG K371

 

求めるのは、高解像度でありながら必要以上にエッジを効かせないタイプで、音域は極力フラットで広く、中庸かやや低域寄りのバランスである事と、前後左右の楽器の位置が分かりやすい事、といったところか。あとはやっぱり折りたたみ式で何種類かコードが付属している方がいいし、特にカールコードは必須だな。そしてプラグは標準プラグアダプター付きの3.5mmミニプラグ。これで行こう。

求めよさらば与えられん。(新約聖書「マタイ伝」より)

今までスタジオモニター的なものを使って来たので今回もその線であたってみた結果、audio-technicaのATH-M50xという機種が要求に見合っていそうなのでポチった。

audio-technica ATH-M50x外箱

このメーカーのヘッドフォンを使うのは初めてだが、国内だけでなく海外でも定番として人気の機種らしいんだな。

主要スペックは次の通り

  • 45mm径CCAWボイスコイルドライバー
  • 再生周波数帯域:15〜28,000Hz
  • インピーダンス:38Ω
  • 感度:99dB/mW
  • 最大入力:1,600mW
  • 重量(コード除く):285g

付属品

  • 1.2mカールコード、1.2mストレートコード、3mストレートコード
  • 6.3mm標準変換プラグ
  • ポーチ
  • 取扱説明書及び保証書
  • コードの装着方法説明書
  • ヨーロッパ電子機器回収システムに関する案内及び中華人民共和国環境法規制に関する案内

ATH-M50xと付属品

説明書類

付属の1.2mカールコードは、ヘッドフォンをかけたままデスク周りをウロチョロしてもちゃんと追従してくれるので具合が良い。

基本的に持ち歩かないのでポーチはあまり使い道がないが、質感が良いので何かに使いたい。とりあえず年金手帳でもしまっておこうか。

ポーチの使い道

 

MOTU M2に挿して音を聴いてみたが、先述の要求内容に面白いように合致しているので思わずニヤけてしまった。モニター用にしてはちょっと低音強めな感じだが、それでも締まった解像感のある低音なのでこれはこれで悪くない。本当に求めれば与えられるものなんだな。アーメン。

 

畳んだ状態のATH-M50x

畳んだ状態のATH-M50x。

 

プニプニなイヤーパッド

イヤーパッドは猫の肉球並みのプニプニ感

 

これでMac周りのオーディオ環境はひとまず整った。ヘッドフォンに感じていたモヤモヤもスッキリ解消して、これからは夜中にトイレに起きる事もなくなるかな?