冷静と物欲の間で

ガジェット好きな私の静かな生活

USBケーブルで音は変わるのか

オーディオグレードのUSBケーブルというものがある事を最近知った。

昨年購入したMOTU M2に付属するUSBケーブルは、片方のプラグがType-Cでもう片方がType-Aというタイプ。Type-CプラグはM2に挿しているのだが、Type-Aプラグの方は今持っているMacBook AirにUSB-Aポートがないので直挿しが出来ず、代わりに外付けディスプレイとして使っているDell U2720QMのUSB-Aポートを介して接続している。いつかはType-C to CのUSBケーブルで直挿しをと考えていたところへ、オーディオグレードと聞いて俄然興味が湧いて来た。

しかし、このケーブルが通すのは電源とデジタル信号。「デジタル信号は1か0かの世界なのでアナログと違ってケーブルを変えても音は変わらない」という話はよく聞くが、本当にそうだろうか?元は同じでも、伝送のプロセスで信号の一部にエラーというか取りこぼしのような事が起こって、正常な伝送がやりきれていないという事はないだろうか?詳しい事はよく知らないが、アナログにしてもデジタルにしても、電気信号という形で伝送される以上は線材の種類とか構造などで影響を受ける事はあると思うのだが。それを検証するためにもオーディオグレードのUSBケーブルを1本買ってみて、付属品ケーブルと比較してみる事にした。

ネットで物色していると、これもピンキリで1本ウン万円もするのもあるんだな。さすがにケーブル1本にそこまでお金はかけられない。それに、これは僕の持論だが、この手のものは5,000円程度の予算をかければ必要にして充分な品質が確保出来ると思うし、それ以上はどれだけお金をかけてもそれだけの出費に見合うような効果は得られないのでは?と思うのだ。そんな訳で5,000円前後の価格帯にターゲットを絞って探したところ、オヤイデ電気のd+ USB classBが価格も狙い目だし何より個人的に信頼しているメーカーなので、その中のType-C to C 1mを買ってみる事にした。オヤイデ電気((株)小柳出電気商会)といえば、古くからオーディオケーブルとか電源ケーブルなどを出しているメーカーで、30年ほど前にここで購入した電源タップOCB-1は今も現役で使っている。ホームセンターで売っているようなタップから差し替えた時の衝撃は忘れられない。

d+ USB classB Type-Cパッケージ

d+ USB classB Type-Cパッケージ

d+ USB classB Type-C to C

箱から出したところ。ケーブルは柔らかく取り回しがしやすい。

d+ USB classB Type-C to Cの仕様

  • ケーブル :USB2.0(HI-SPEED)
  • 導  体 :高純度銀メッキOFC(無酸素銅)
  • 導体サイズ:23AWG / 30AWG
  • 絶 縁 体:ポリプロピレン / ポリエチレン
  • シールド :90%編組+アルミマイラー
  • 外  装 :PVC
  • ネクター:24K金メッキ
  • 転送速度 :最大480Mbps

実際にケーブルを差し替える前に、念のため付属品のケーブルで改めて色々なジャンルの音楽を聴き直して「ハイハイ、こういう感じね」と確認してから、オヤイデのケーブルに差し替えて同じ曲を聴いてみたところ、劇的な変化とまでは行かないが「ん?あれ?あー、そういう感じか」と音の違いを感じとる事が出来た。ただ「高いケーブルなんだから音が良いに決まってる」という、一種のプラシーボ効果のような感覚に陥っている可能性もあるので、ここは慎重に一定の時間を置いて耳を休ませながら数回にわたって比較試聴を繰り返した結果、以下のような変化が確認出来た。

付属品ケーブルからd+ USB classBに変更して感じた音質変化

  1. 重心が少し下がって安定感が増した。
  2. 音場がより広くなった。
  3. 音像がより明瞭になった。
  4. 中低域の音圧が少し上がった。
  5. 高域で不自然に耳に刺さっていた部分が抑えられて聴きやすくなった。

ふぅん、やっぱり思ったとおり、デジタル信号でもUSBケーブル次第で音は変わる。今回オーディオグレードのケーブルに変えた事で、音質は上記のようにプラス方向に変化した。つまり音質改善につながったという事。

やっぱり買って良かったな。