いつもは、Mac miniに接続しているオーディオインターフェースMOTU M2にSONYのスタジオモニターMDR-CD900STを挿してApple Musicを聴いているのだが、先日、ほんの冷やかしのつもりでMac miniのヘッドフォンジャックにこの900STをプラグ変換アダプターをかませて聴いてみたところ「おや?」と思った。こっちの方が音が良いような気がする。
いやいや、そんな事はないだろうとMOTU M2と何度か差し替えながら聴き比べてみたのだが、やっぱりMac miniのヘッドフォンジャックの方が音が良いようなのだ。
こんな事って、あるんだろうか?外付けDACよりパソコン直挿しの方が音が良いなんて。
どんな風に良いのかというと、音の輪郭がよりクッキリして立体的になり、一つ一つの楽器の音やヴォーカルがより生々しく感じられる。900STの特性上音場が狭いので目の前で演奏しているイメージは元からあったが、そこに更に生々しさが加わってあたかも四畳半の録音スタジオに放り込まれたような錯覚さえ覚える。それにしてもMacのヘッドフォンジャックはいつからこんな高音質になったのだろう。去年まで使っていたMacBook Air (2018)なんかは薄っぺらのヘナヘナな音だったのに。
Macに限らず、パソコン本体のオーディオ出力ポートというのはとりあえず音が出てればいいんだろう的な、音質は二の次みたいなのが一般的だった。パソコン内部で発生するデジタルノイズがオーディオ回路に混入して音を汚すとか、元々チープなパーツしか積んでいないとか原因は様々だが、少なくとも音楽を楽しめるような代物ではなかったように思う。
まともな音質で音楽を聴くにはやっぱりヘッドフォンアンプとかオーディオインターフェースといった外付けDACが必要という事で、ハイレゾも楽しめるようにと24ビット/192kHz対応で高音質と評判のMOTU M2を2年前に購入した。その後MacBook Airのレスポンス低下のため昨年M2チップ搭載のMac miniに買い替えて現在に至っているのだが。
余談だが、ヘッドフォンは今まで色々取っ替え引っ替えして来て結局はMDR-CD900STで落ち着いている。なんだかんだ言いながらも長い間使っていて、これの音に耳が慣れてしまっているせいもあるが、このヘッドフォンが楽音やヴォーカルの微妙なニュアンスが一番聴き取りやすい気がする。
Mac miniのヘッドフォンジャックは32ビット/96kHz対応なので、今となっては僕にはどうでもいい事だがハイレゾも再生可能。Apple公式サイトによれば"ハイインピーダンスヘッドフォンに高度に対応"という事で、インピーダンス300ΩのSENNHEISER HD650で試したところ、確かに無理なく元気に鳴っていた。
Mac miniのヘッドフォンジャックが確かにパワフルで音が良いのは分かったが、逆にMOTU M2の存在意義がなくなってしまった。ハイレゾ対応の外付けDACとして購入したが、ハイレゾへの関心がすっかりなくなってしまったのと、何よりMacのヘッドフォンジャックの方が音が良いと分かった以上、もはやこれを使い続ける意味は見出せない。ちょっと惜しい気もするが、ハードオフ行きだな。