冷静と物欲の間で

ガジェット好きな私の静かな生活

辿り着いたらAKG

デスクトップオーディオのハイレゾ対応という事で、去年の春先にオーディオインターフェースMOTU M2を買った頃からヘッドフォン沼にハマり出し、いわゆる定番のモニターヘッドフォンをいくつか購入したのだが、どれも思うような音ではなく結局既存のSONY MDR-CD900STをメインに据えている今日この頃。

ちなみに購入したヘッドフォンというはオーディオテクニカのATH-M50xとゼンハイザーのHD25で、どれも定番とされるモニターヘッドフォンだが、残念ながら今一つピンと来る物ではなかった。ATH-M50xは全体的に音が低音寄りで、高域が何かと刺激的なCD900STに比べれば落ち着いた雰囲気で最初は好感が持てたのだが、しばらく聴いているうちに音がおとなし過ぎるというか地味な音に感じられて、少なくとも僕の耳には自然な音という風には感じられなかった。HD25はと言えば、思いのほか低音が元気良すぎでバランス的にどうなんだ?と。

一方CD900STはどうかと言うと、最近ダメ押しのエージングを施したのが功を奏したのか、購入当初の変なクセもおさまってまあまあ普通に聴けるようになったので、これからもこれをデフォルトで使って行けばいいやと思っていたのだが、ある時ネットで「AKG(アーカーゲー)のセミオープン型モニターヘッドフォンK240 Studioが価格の割に良いらしい」という記事を見かけ、今まで購入して来たものより安価という事もあって、また物欲の虫が騒ぎ出してサウンドハウスでお買い上げ。せっかく沼から抜け出したというのに、またハマるのか?それとも今回で終わりに出来るのだろうか?

AKG K240 Studio

AKG K240 Studio

ヘッドバンドに大きくAKGの文字

ヘッドバンドに大きくAKGの文字

付属品の6.3mm標準プラグアダプタ

付属品は6.3mm標準プラグアダプタのみ

実は、AKGのヘッドフォンはK712 Proを7年前からメインのオーディオシステムで使っていて、ちなみにヘッドフォンアンプもAKGのK1500だが、音の傾向は大体分かっているので今回の買い物はハッピーエンドになるんじゃないかと期待していた。

AKG K240 Studio & K712 Pro

AKG K240 Studioと兄貴分のK712 Pro

で、結果はどうだったかと言うと

まさに大当たり!

音はフラットだし解像度は高いし音場が広い。高域は繊細でよく伸びるし、中域は出しゃばるでも引っ込むでもなくニュートラルな感じで低域はタイト。大きめなイヤーパッドとソフトな側圧のため今まででベストの着け心地。何なら一日中着けっぱなしでも大丈夫なんじゃないかと思うほどだ。それに、ケーブルが着脱式なのでうっかり椅子のキャスターで轢いて断線しても簡単に交換出来るところもポイント。

着脱式のヘッドフォンケーブル

ヘッドフォンケーブルは着脱式

とにかく、どれをとっても僕が望んでいた通りで、今まで買って来たモニターヘッドフォンに感じていた不満がこれで全部吹っ飛んだ。こんな事もあるんだな。

主な仕様は次の通り。

  • 種別:ダイナミック・セミオープン型
  • ドライバー:30mm XXLトランスデューサー
  • 再生周波数帯域:15〜25,000Hz
  • インピーダンス:55Ω
  • 感度:91dB/mW
  • 最大入力:200mW
  • 重量(ケーブル除く):240g
  • ケーブル:3m ストレート(着脱式)ミニXLR端子-3.5mmミニステレオプラグ
  • 付属品:6.3mm標準ステレオプラグ変換アダプタ

特に、音像の明瞭さと自然な広がりはそれまで買って来たモニターヘッドフォンでは体験出来なかった感覚だ。今までは、各楽器の位置関係や距離感が分かりにくく、歌手とか各楽器の演奏者が間近でひしめき合っているような感じだった。音場の再現性については、モニターの用途にもよるのでこれだけで良し悪しを決めるべきではないと思うが、とにかくこれで僕の「結局ヘッドフォンどれにすればいいの問題」が解決し、また沼にハマらずに済んだのでよかったなと。